——ニューロティカとの対談を終えて(milktubインタビュー第三弾で明らかになります!)、すっかり放心状態ですね(笑)。
bamboo
そりゃ放心状態にもなるって……。ねえねえ、俺キモかった?
一番星
まあね(苦笑)。でも、bambooにとっては人生だからね。
bamboo
俺ばっかりしゃべちゃったよ……(苦笑)。ふう……。
一番星
ヤバイって、今の状況。これじゃ事後のマッタリタイムじゃん(笑)。
bamboo
“賢者タイム”!? それはマズイな(笑)。俺ってば靴脱いじゃってるし!
——(笑)。では、参りましょうか!1stフルアルバム『SMILE ENERGY』の制作、改めて振り返っていかがですか?
一番星
結局、俺たちにはこれしかないんだなぁ、というか。当初のコンセプトとしては、いろいろな曲にチャレンジする予定だったんですよ。
「もっと遅い曲に挑戦してみようか?」とか、それなりに真剣に話し合ったんだけど、蓋を開けてみたらやっぱり速い曲ばっか(苦笑)!
やっぱり俺達は、コジャレタ事とかできないんだなって。ズタズタズタズタ……! こればっかのアルバムになりました。
bamboo
まあ、偏ってますな(笑)。よくまぁ、こんな速い曲ばかりを集めたもんだのぅと。あとは実際問題、自分で10曲も歌うことってなかったからね。
苦労した思い出しかない! 大変でしたねぇ。
一番星
大変だったねぇ。収録されているのは10曲だけど、死んでいった曲たちも同じくらいあったわけで。本当に悩んだよね?
bamboo
というか、悩み過ぎてギスギスしてたしね(笑)。でも、関わって下さったみなさんのおかげで、完成したものを聴いたら納得できたし。
俺たち的にはバランスの良いアルバムなったかなと。一般的な人の感覚では、恐ろしく速い曲ばっかり詰まったアルバムだと感じるはずだけど。
——確かに。でも、milktubファンからすれば、これほどのご馳走はないわけですよ。
一番星
一番焦ったのが、トラックダウンした段階で「……これ、40分ないんじゃない?」と気付いたことで(笑)。「どうする?」ってbambooに聞いたら。
bamboo
「じゃあ曲間を長くしてみよう」って。
一番星
無駄な足掻きだよねー(苦笑)。最終的に36分になって。でも、結果的にこれしかできないんだなぁと思いましたけどね。
bamboo
昔の方がいろいろやれていた気がする。人の為に書いた曲なら、歌い手によってバリエーションが付けられるじゃないですか?
でも今回は俺が歌うわけだから、俺が歌いたいというか、ある意味歌いやすい曲が並んだ感じではあるかな。言ってしまえば、milktubの根本となる作品なわけですからね。
一番星
milktubって、一側面は人様の為に楽曲を制作するユニットで、もう一側面はバンドですよね。そのバンド面のmilktubが、17年目にしてようやく固まったのかな? って。
この『SMILE ENERGY』は、悩んで悩んで、悩みまくった結果生まれたものだから。
bamboo
17年目って、辿り着くのが遅すぎるよね(笑)。何やってたんだろう俺達。
一番星
セミの幼虫がさ、やっと成虫になれる! と思って地上に出ようとしたらコンクリートだったみたいな感じかな?
bamboo
いざ出ようと思ったら「出れなかった!」と(笑)。17年かかってコンクリートをブチ破ったら、今度は「育ち過ぎてた!」みたいな。
でもぶっちゃけると、30歳までにアルバムが出せなかったら、もう音楽を辞めようと思っていたんですよ。
その時にニューロティカを見て実際に続けている姿を見たら、もう少し続けてみようかなと思って。
その5年後にベストアルバム「milktub 15th ANNIVERSARY BEST ALBUM BPM200 ROCK'N'ROLL SHOW」が出せて、そしてこのアルバムでしょう。
続けることだって、悪いことばかりじゃないんですよ。ほら、20代の頃ってもっとガツガツするでしょ? でも、その時は出そうと思っても出せなかった。
今は、アニソンとかゲームソング業界自体、ものすごく幅広くなったし、だからこそ出せたものでもあると思っていて。だから正直、今ってそれほどガツガツしてなくて、作りたい時に、作りたいものが作れる環境がまずあって、たまたまこういう機会が回ってきた。以外と、気楽に構えている自分もいるんですよ。
——速い曲ばかりとはいえ、楽曲それぞれにカラーがありますし、何より歌詞のバラエティ感や、世界観の違いが興味深い作品でした。
bamboo
「この人の書いた歌詞を歌ってみたい」と思えた人に、今回は歌詞をお願いしたんです。それが、yozuca*だったり、橋本みゆきだったり、桑島由一だったり、伊東隼人だったりしたわけで。確かに、そこでバラエティ感は出せかなぁとは思っていて。でもなぁ、「LoveSong」聴いたって、(ランティス)臼倉の顔しか出てこないしさ(笑)。
臼倉
なんか、スイマセン……。
一同
(笑)。
——こういう機会もあまりないので……臼倉さん。「LoveSong」のPVで主役に大抜擢されたわけですが、改めて振り返っていかがでしたか?
臼倉
あ、えーっと、その……楽しかったですし、光栄に、思っております。
——ランティスに入る前から、milktubが好きだったんですよね?
臼倉
はい! なので、本当に嬉しくて。貴重な経験をさせていただいたなぁって思っています。
一番星
milktubにとって、「あ、なんか面白そうじゃない?」って発想は基本だからね。PVのミーティング中に監督が「純朴そうでさ、メガネかけてて、おにぎりが似合いそうな男が欲しいんだよねぇ……あれ?」って(笑)。
bamboo
みんなで「(臼倉氏を指差し)ここにいた!」なんつってね(笑)。「役者雇うより安くすむし!」とか言っていて。でも、意外なほどの名アクターっぷりを発揮してくれましたよ。
臼倉
……ありがとうございます!
bamboo
茅原実里ちゃんから「PV見ましたよぉ! 臼倉さんが面白かったぁ!」って言われちゃってさ。どないなっとんねん!
——(笑)。その「LoveSong」ですが、これぞアルバム1曲目に相応しい、milktubの看板になる曲ですよね。
bamboo
これは由一に書いてもらったんですけど、歌詞の中に“俺達”ってフレーズがすごく出てくるんですよ。ライブに来てくれたり、CDを買って聴いてくれている人たちに向けて、俺らなりのラブ・ソングを歌おう! という思いから生まれた曲ですね。すごく恥ずかしい歌詞だけど、このスピードならいけるだろうと。なんといか、“甘酸っぱい”感じにしたかったんですよ。
一番星
でも、PVのせいで“酸っぱい”感じになっちゃって(笑)。
bamboo
由一のやつ、この歌詞を1日くらいで書きやがったんですよ。ありがたみがなくなりますって(笑)。由一とは、一緒にいた時間がすごく長いんですよ。だから彼の作るものと、波長がすごく合うんです。
——僕は思っていたのですが、milktubのスピード感って、テレ隠しですよね?
bamboo
ドキッ! ……まあ、ぶっちゃけるとね。だからバラードなんて、歌えないもの。無理!
一番星
俺らがバラードとか、正直気持ち悪いよね(苦笑)。この曲は、聴いて元気になってもらいたかったんですよ。それが『SMILE ENERGY』のコンセプトでもあって。
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