——ニューロティカのお2人から見て、milktubの魅力は?
KATARU
思わず笑っちゃうような曲もあるけど(笑)、ものすごくたくさん曲が書けるのは羨ましいですよ。あと、bamboo歌上手いよね。高音もすごく出るし。良い声してると思うな。
bamboo
褒められることに慣れてないから、どうしたらいいか分からない……(苦笑)。
ATSUSHI
俺はね、詞が好きだな。俺には書けない歌詞なんですよ。意味をストレートに伝え過ぎないところとか、簡単な意味の歌詞でも少し長めに書いてあったりとか。そういう部分は面白いなぁって。
KATARU
確かに、あっちゃんが書く詞と比べると年代の差を感じるよね。bambooの方がやっぱり若いもん。それと、自由にやっている感じがいいなぁって。
bamboo
milktubって、ランティスの中でも一番自由な存在だと思うんですよ。アニソンも歌ってなければ、ゲームソングだって俺たち自身が歌うことは、まぁないわけだし。何やっても許されちゃうっていうか。
ATSUSHI
俺達も、ロック・シーンの中ではそういう立ち位置だよ(笑)。
bamboo
ニューロティカの好きな所って、どんなに落ち込んでいても、聴けば気持ちを0から10にしてくれるんですよ。だから毎日聴いちゃうんです。朝起きて、移動の車の中で聴いて……。キモい話ですけど、「俺が見たいニューロティカのセットリスト」とかを勝手に作って聴いてますからね。
KATARU
それ、参考にしたいなー。
ATSUSHI
それでベスト作って出しちゃおうよ、勿論ランティスから(一同笑)。さっきbambooから「自由で何やっても許されちゃう」って聞いたんで(笑)。
KATARU
来年出す予定のオリジナル・アルバムの音源がいま10曲位あるだけど、その10曲をbambooに聴かせたんですよ。そしたら「良いですね! ここにあの曲みたいなのと、あの曲みたいなのを加えて、12〜13曲にすれば、纏まると思いますよ」って言われちゃって(笑)。俺、ガックリしちゃったもん。
一番星
(bambooに向かって)アンタ誰なんだよ!
bamboo
スゲェ上から目線ですいませんでした(苦笑)! でも、自分がニューロティカのアルバムに意見が言えるなんて機会、あるわけないと思ってたからぁ。
一番星
やっぱり、高校生の頃に戻っちゃうんだよねぇ。
bamboo
なんで今日サングラスしてるかと言えば、目がハートマークになっているのを悟られないためですから!
ATSUSHI
milktubのBPMが速くなっちゃうっていうのは、完全に俺達の悪影響だからねぇ。
一番星
ライブでも、10曲やっても30分にすら届かないもんね。
KATARU
あっちゃんが、早い曲の方が楽だっていうんだよね。
bamboo
この『SMILE ENERGY』も速い曲ばっかりで、バラードと言っている曲もBPM190くらいですからね(苦笑)。本当はもっとバラエティ豊かな曲も歌いたかったんですけどね。
KATARU
あっちゃんがやりたがらないしね。「東京花火」とか、全然歌いたがらないもん。
bamboo
なんでー! 超名曲じゃないっすか! milktubのスローガンで“速くておバカでかっちょいい”って言うのは、ニューロティカの“俺達いつでもロックバカ”のようなキャッチフレーズが欲しいと思って付けたものなんですよ。
——バカバカしいことを思いっきりやるというのも、両バンドの共通する部分ですよね。
bamboo
曲間のコントとか、有り得ないっすよね。だってニューロティカの『88ライダー』って、9曲中小芝居が4つとか。
ATSUSHI
昔からやってるんだけど、もともとは照れ隠しかなぁ。確か、パフィーのアミちゃんとユミちゃんが「あの小芝居面白いね」と言ってくれて。そんなに持ち上げてもらったなら、「これは入れるしかない!」と思って。
KATARU
「小芝居」と言われて「持ち上げられている」と思っちゃうあっちゃんがすごいでしょ(一同笑)?
bamboo
うちもそれにならってたまにやるんですけど、さすがに1曲扱いは厳しいので、曲の頭とかに入れるんですよ。「milktub 15th ANNIVERSARY BEST ALBUM BPM200 ROCK'N'ROLL SHOW」の時に茅原実里ちゃんにお願いしたやつとかも、ニューロティカの『よっしゃ,よっしゃ,よっしゃーぁ』からインスパイアされたものですからね。
ATSUSHI
「ナンシー」の冒頭の小芝居を聴いて、ダイノジがボケとツッコミを覚えたって言ってたよ(一同笑)。そんなつもりもなかったんですけどね。
bamboo
あっちゃんの50歳の誕生日とか、武道館でフェス出来ると思いますよ。それくらいいろいろなバンドとか、お笑いの人とかにも影響を与えているので。
一番星
そういえばbamboo、昔レコーディング前に車の中でニューロティカを歌い過ぎて声枯らしたことあったよね?
bamboo
あったあった(苦笑)。東京から地元まで戻る途中で、いつもニューロティカ歌いながら帰るんだけど、家についてもまだ歌い足りないからすごい遠くまで行っちゃって。次の日声でなくなって怒られたりしてました。
——ここまでくると、ニューロティカのお2人にも「嬉しいを通り越した何か」が芽生えてきそうですが(笑)。
KATARU
うーん、まだ年内一杯は大丈夫かな(苦笑)。
bamboo
あと20日くらいしかない! でも俺もわきまえてて、まだメンバー全員からサイン貰ってないですから!
——それじゃ「くれ!」と言っているみたいなものですよ(笑)!
bamboo
はじめてあっちゃんにサイン貰ったのも、6〜7年前の飲み屋だったんですよ。渋谷の飲み屋で俺が糞つまんねえ接待受けてたら、あっちゃんがロリータ18号と飲んでて。あっちゃんがトイレに立った隙を見計らって、トイレ前で出待ちですよ。出てきた瞬間に「サイン下さい!」っていったら「手洗ってないけど、いい?」って言われて(笑)。
KATARU
でもさ、あっちゃんとbambooって似てない?なんか。
ATSUSHI
俺も、同じCDばっかり聴くもんね。ARBと、松山千春と、竹内まりあと、小田和正、そのローテーションでそれ以外聴かないし。
一番星
僕とKATARUさんの立ち位置も似ているような気がするんですよね。
KATARU
確かに(笑)。
——両者が似ているのは、僕も今のお話の中で感じましたね。さて、そんなmilktubのファースト・アルバム『SMILE ENERGY』には、ATSUSHIさんに捧げた曲が収録されています。
bamboo
はい。「It's OK 〜ピエロのオッちゃん賛歌〜」という曲です。あっちゃんに「“ピエロのオッちゃん”って曲作ったんですよ!」って言ったら、あっちゃんが「“ピエロのお兄ちゃん”にならない?」って言われて、「それは無理です」と断りました(笑)。
ATSUSHI
即答だったもんね(笑)。
bamboo
あっちゃん、まだ聴いてないですよね? いま聴いてもらってもいいですか?
ATSUSHI
いい? きかせて貰って。
bamboo
はい! あっちゃんに歌詞持ってきて! 本物(KATARU)に書いてもらったので、間違いないと思います……!
ATSUSHI
(無言で聴き終えて、渡された歌詞を見ながら)……なんていうか、こんなに素敵なことってないと思う。だって、こんな風に自分のことを歌にしてもらっちゃって……すごい、鳥肌立っちゃった(笑)。すごく、いい歌詞だよ。ニューロティカをずっとやってきて、良かったです。本当に、本当にありがとうございます。
bamboo
(笑)。キモいかもしれないですけど、ラブソングです。僕たちは普段ゲームでテーマソングとかを作っているので、そのノリでニューロティカのテーマソングを作ろうと思って。僕が思う、ニューロティカの為の主題歌です。
KATARU
「曲書いてください!」ってお願いされた立場なのに、2回もダメだしされちゃったからね(一同笑)。ビックリしちゃったよ。
bamboo
いやいや、ホントすんません。最初の2曲はちょっと小難しくて、小ジャレてたんすよ。僕の中では「ニューロティカのテーマはこれじゃない!」って思っちゃって。
ATSUSHI
この“It's OK”は“これでいいのだ!”だよね? これだって、俺から言わしたら小ジャレてるよ。
KATARU
来月の頭にレコーディングに入るから、今ちまちまと曲を作ってる最中なんだけどさ。あげなきゃよかった、この曲(一同爆笑)。それぐらい良い曲になったよね。
ATSUSHI
俺達のことを好きなバンドと共演したり、A.I カンパニーの社歌を作ってもらってそこに参加したことはあったけど、こうやって、俺達のテーマソングを送られたのははじめてだね。
bamboo
“It's OK”は、俺達がニューロティカに憧れているテーマでもあって。2006年にバンドが上手くいかなくて腐っていた時に、元気をもらいにいこうと思って行ったロティカのライブで、あっちゃんが「俺達の23年は間違いじゃなかった」って言っていたんですよ。それがすごく衝撃的で。「俺にもそんなこと言える時がくるんだろうか……?」とか、すごく考えたんですよ。そうしたら、年明けに出したベストが売れてくれて、おかげでリキッド・ルームも満員になって……。親戚とか友達集めても「200人いかない。ヤバイな」とか思っていたのに、まさかリキッドが一杯になるなんて、考えたこともなかったんですよ。そのライブのラストで、俺も「俺達の15年間は間違いじゃなかった」って、ポロッとでたんです。それは、あの時腐らずに元気をくれたニューロティカへの感謝でもあったなって。
ATSUSHI
最初はね、bambooから話を聞いた時は、“コミケでピエロのカッコしてなんかやれ”って話かと思ったんだよね(一同爆笑)。「それで少しでもバンドのことを知ってくれる人が増えるなら、まあいいかな」とか思っていたんだけどさ。まさかこんなことになるなんてね。
KATARU
大抵のことは断らないもんね(苦笑)。
ATSUSHI
milktubとの対バンも決まったしね?
bamboo
はい!
ATSUSHI
ロフトで一緒に飲んでて、「ロフトでライブやるのが夢だ」って言うから店長呼んで来て。その場でスケジュール空けさせてね。
bamboo
新宿ロフトって、バンド・ブームを知っている年代からすると、ハンパじゃないくらい敷居が高いところなわけですよ。そこで、ロティカと一緒にやれるなんて……ああ! ぶっちゃけ、俺にとってはさいたまスーパーアリーナよりずっと価値があるんです!
ATSUSHI
「リキッドいっぱいに出来るんだから、もっとでかいところでやろうよ」って言ったのに、「いや、ロフトがいいです!」って言い張ってさ(笑)。
——改めて、ニューロティカのお2人にお聞きしたいんですが、25年間一度も解散せずにバンドを続けられたのは、何故だと考えてらっしゃいますか?
KATARU
うーん、そうですね。俺達の中では、毎年同じことをしている意識はないんですよ。毎年毎年、新しいことをやっているという意識があって。
ATSUSHI
そうだね。だから、まだこのバンドでやり足りないことがたくさんあるんですよ。だから、続けているって感じかな。
KATARU
本当はね、もっとbambooみたいに深読みして聴いてくれるお客さんが増えてくれたらもっと売れるんだろうけど(一同爆笑)。
ATSUSHI
このインタビュー読んでいるキミたちにも、俺たちのこれからがかかっているからね(笑)!
——そろそろお時間なのですが、今日は主にbambooさんによるニューロティカへのラブコール満載でしたが、ニューロティカからmilktubの2人にメッセージをお願いしてもよろしいですか?
KATARU
そうですね。なんか、悪影響ばかり与えちゃってゴメンなさい! って感じだけど、本当に順調に、良いバンドに成長しているんだなって思ったんですよ。今後もロティカ直系の後輩として頑張っていただいて、今後も俺達を引き上げていってほしいです(一同笑)!
ATSUSHI
期待しています(笑)!
milktub
がんばります(笑)!
——この縁をきかっけに、一緒にツアー廻ったりできたら素敵じゃないですか?
bamboo
そそそ、そんな! 滅相もない!
——一台のバンドワゴンとかで。
bamboo
ギャー! それは死ぬ! 嬉しすぎて!
ATSUSHI
いいんじゃない?
KATARU
ね? やろうよ、来年。
ATSUSHI
ちっちゃいところとかも、ジャンジャン廻ったりね。スケジュール、いろいろ考えときます。
bamboo
……は、はい! うわぁ、ヤバイっす。マジで、絶対にスケジュール空けますんで!
一番星
bamboo、今日はもう眠れないじゃん(笑)!
bamboo
昨日から緊張で寝れてないっちゅーねん!
——(笑)。という感じで、本日はありがとうございました!
一同
ありがとうございました!
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