「第三の”慈愛”は、私、マルガ・ナルゼと、マルゴット・ナイトが説明するわ。……慈愛とか言われても、面倒というか、表立っては苦手なものだけどね」
「でもガっちゃん、たまーに雨の日とか、猫拾ってくるよね? ナイちゃんが何も聞いてないのに”勝手に寄ってきて離れないのよ”とか言って」
ほほう、と皆が仰け反るのに対し、ナルゼは眉をひそめて咳払いをする。
「慈愛っていっても、恋愛とかなら話が出来るんだけどね。この場合は、見守ったり、赦したりというのも含めた母性的な愛の面が大きいの。汝隣人を愛せよ、ってやつね」
「Jud.、言い換えるなら”大事にしようよ”ってところかなあ。隣人は隣人がいるから、皆でコレを守れば平和になるってことでもあるよね。
もっと言い換えるなら、これって”怒るな・疑うな”って事でもあるかなー」
そうねえ、とナルゼは頷いた。
「隣人って言っても、隣の家の人間じゃなくて、隣にいる人の事も差すんだけどね。でも、慈愛は恋愛とは別だから、残念だわ」
Jud.、とナイトが笑う。そして彼女はナルゼの横、直近に立ち、