澄川龍一
前アルバム『D-Formation』収録の「TERMINATED」に続くアニメ『境界線上のホライゾン』主題歌であり、「Paradise Lost」「TERMINATED」らと共にライブ終盤の要となる茅原実里の代表曲。こうした劇的な展開美を見せる“茅原実里らしい”楽曲において、この曲はその頂点ともいえるハイ・レベルなアプローチを聴かせている。Aメロ、Bメロとめまぐるしく展開する切迫した構成に、茅原の歌唱が真っ向からぶつかるかのようで、いわば茅原×菊田におけるひとつの到達点ともいえる。またそんななか絶望を越えようと力強く歌う畑の歌詞も絶品。昨年、茅原がネクスト・ゾーンに向かったことを告げた歴史的一曲なのだ。
冨田明宏
2011年10月に「TERMINATED」が世に放たれたときは、「この名曲が“茅原実里×畑亜貴×菊田大介”にとっての新たな代表曲になるのだろう」という大きな確信を持って受け入れたわけだが、その約1年後に「TERMINATED」を上回るほどのテンションとアグレッションを持った「ZONE//ALONE」が誕生してしまったときは、天井知らずなこのチームのクリエイティヴ力に戦慄したものである。もはや敵なし、あまりにも圧倒的。“茅原×畑×菊田”による怒涛のストリングス・ロック・ナンバーであり、今や“茅原サウンド”とも言うべき、彼女の歌が中心にあることで成立する会心の1曲である。解放的なメロディ、疾走するグルーヴ、ふくよかな抑揚を描き出すストリングス、アグレッシヴなシンセ・アレンジ、そして突き抜けるようなボーカリゼーション。そのすべてが最高点で融合を果たした、奇跡のような1曲だ。
西原史顕
〈風〉の次は〈炎〉である。太陽よりも熱いハートで、愛を求め追いすがる「ZONE//ALONE」。常に孤独と隣り合わせの人間の心にあって、ここまで力強く前向きに振り切れる根拠とはなんだろう……。まるでライブ時のように自然と鼓舞され上下にリズムを刻んでしまう自身の身体に少しの快感を抱きながら、そんなことを思ってしまう。だが、これは明らかに考えすぎなのだろう(苦笑)。“無力な事実 重ねれば真実”というワードがすべてを吹き飛ばしてくれる。信じ続ければ、その想いは銀河をも超えるのだ。このロジックに矛盾は一つもない。M9で感じられた不安は、完全にここで払拭された。アルバムを一つの物語として捉えれば、実にニクイ演出だったと笑われずにはいられない。あとはこの夢の国の果てに何が待っているのか、前進するのみである。
吉田尚記
さぁ、戦いのスタートです!わけも分からず戦いに巻き込まれたのとも違います。自ら意味もない闘争を求めたこととも違います。使命感と、ここまでで培った使命感と能力!それらを全部引っくるめて、正しい戦いにのぞむ際に湧き出る全力!!さーー、いくぞーーー!!
齋藤光二
一糸乱れぬボウイングでカウンターメロディを繰り出すストリングス、全く遠慮せずフルパワーで高密度の演奏を続けるバンド、そしてファルセットを多用しつつも突き貫くように強く撃ち返すボーカル
この絶妙の均衡で成立する三つ巴の攻防、これを堪能するのがこの曲の醍醐味ではないかなと思います。