澄川龍一
大空と海原の間をすり抜ける鳥のように、雄大だけどしなかやかに響いていく歌――。2013年最初のシングルとなったこの曲で聴かれた歌唱は、茅原実里というシンガーがあらたな局面に向かったことを告げた。未来という大いなる冒険にワクワクさせるようなサウンドと歌詞に躍動する一方で、それらを包み込むような大らかさもあり穏やかさもある、そんな機微がここでは聴かれる。ナチュラルに自由な歌を手に入れ、あらたなフェーズへ進もうと宣言するかのような、爽やかで感動的な一曲なのだ。
冨田明宏
“必殺の1曲”というものがある。イントロが鳴った瞬間から景色が一変し、どんな状況であろうともその曲の魅力に耽溺してしまう、心高まる1曲。茅原実里はその“必殺の1曲”に恵まれた、豊富なヒット曲を持つシンガーではあるのだが、この突き抜けるような解放感と多幸感に彩られた“必殺の1曲”、「この世界は僕らを待っていた」を得たことによって、彼女の音楽的な幅はさらにグッと広がったように感じる。「Paradise Lost」のようなシリアスかつ熱い攻めのナンバーでオーディエンスを先導する彼女も勇ましくて魅力的だが、どこまでも広がる青空を眼前一杯に見せてくれるこの曲で、オーディエンスを瞬く間に幸福な笑顔にしてしまう姿もまた魅力的である。音楽が見せる夢、エンターテイメントが見せる夢を、この曲は1曲で体現出来るだけのエネルギーを持っている。そう言ってしまっても過言ではないほどに、このテーマ・パークの景色をも一変させ、アルバム=物語を佳境へと導いていく。
西原史顕
いつのまにかアルバムの世界に没頭し、思案に耽っていたところに吹き込んできた涼やかな潮風。「この世界は僕らを待っていた」のイントロが、僕たちが夢の国を旅している途中だということを思い出させてくれる。明らかにM5〜M9の中盤とは異なる雰囲気が、歌い手の弾むような歌唱からも伝わってくる。“君とならどこまでも行ける 駆け抜けるよ 心は自由”という言葉に、先ほどまでの悲壮感はない。感情の浮き沈み……つまりは矛盾こそ人間。そしてそれを音楽というカタチにして表現する茅原実里のむき出しの心根に、ドラマチックな感動を覚える。さあ、これからこのアルバムはクライマックスへと向かっていく。煌びやかに輝いて、白い霧に包まれて、そして再び太陽の光が差し込む。第三の扉が開かれたのだ。
吉田尚記
これ!!これーー!!!!ガルガンティアで聞いた時から、この曲、このシーズンのアニソンでダントツに趣味で聞いてた曲でした!!明るさ、元気さ、開放感!!こんなにパワーがあるのに、まったく押し付けがましくない、そして、空を駆け巡る以外のことはもう出来ない!一番言われたい言葉じゃないですか、「この世界は僕らを待っていた」って……!大好き!!
齋藤光二
ストリングスのフレーズが、押し寄せる波のように前へ遠くへと、吹き抜ける潮風のように高く空へと僕らを運んでくれる。晴れ渡った海を見下ろすとそこにはジャンプするイルカの群れ。
自然を肌で感じられるような極上に気持ちよいサウンド
音楽って一瞬で美しい世界へ連れて行ってくれるんだなぁ、と改めて感じました。
青い海が良く似合う茅原実里にぴったりな地球賛歌です。