澄川龍一
『NEO FANTASIA』後半の幕開けはファンタジックな世界への誘いだ。Elements Garden総帥・上松範康の作曲、菊田の編曲というあまりに贅沢なサウンド陣による、シンフォニックで疾走感溢れる、いわゆる直球なまでにElements Gardenといえる音世界。そして今年の“Animelo Summer Live”における共演も記憶に新しい宝野アリカ(ALI PROJECT)によるリリカルな歌詞も含めて、崇高なまでの美しさをたたえている。そうした世界に足を踏み入れた茅原もまた、物語の主人公たる凛々しくもエレガントな歌唱を聴かせている。
冨田明宏
「真白き城の物語」によって引き込まれた幻想の世界。その先には、さらに美しく、激しく、ディープなファンタジーが待ち受けていた。ご存知、ALI PROJECTの宝野アリカが初めて茅原実里のために歌詞を提供し、Elements Garden上松範康もこれまた初めて茅原のために曲を書き下ろした「Celestial Diva」である。憂いや悲哀を纏いながらも疾走するメロディライン、そして菊田大介の手によるファンタジックなアレンジメントが鼓膜を捉えて離さない。宝野アリカが描いた緻密で力強い情景描写と、静と動が交錯するこの壮大な物語を、柔軟に、アグレッシヴに演じきった茅原。彼女のボーカリストとしての鮮烈な魅力を、再確認させてくれた楽曲だ。今年の『アニサマ』では、初日のオープニングを宝野アリカと2人で務め、この「Celestial Diva」をデュエットで披露。あの瞬間の燃えるようなオーディエンスの熱狂ぶりは今も忘れられない。
西原史顕
静謐なイントロからのストリングス解放。こうして繋げて聴いてみると、M7からM8の流れはまるで壮大な中世ファンタジー活劇の序章〜第一章のようだ。静寂から激動へ。優しさから勇壮へ。ALI PROJECT宝野アリカが作詞し世界を作り上げた「Celestial Diva」は、茅原実里が戦場を舞台にプリマドンナを演じる物語。亡国の歌姫が天を翔け昇る姿そのもの。サウンド面でも〈中二病〉というワードを肯定的かつ意図的に操るElements Garden上松範康にこうしたコンセプトを提示すれば、どこまでもファンタジー性を追求してくれようというもの。ここまで劇的に映像的な一曲になったことにもうなずけよう。
吉田尚記
今度は、オリエンタル!さっきの戦いで何もかも失っちゃったところに、黒い髪の女神が救いを投げかけて、魔法を授けてくれますが、でもその際、一緒に覚悟も固めねばならない。あいある修行と、決意があったうえでの旅立ちの曲。
齋藤光二
物悲しい旋律を謳い上げる真っ直ぐな声。何度聴き返してもゾクっとするような至高の美しさを覚えます。ドラマチックな展開に最後まで引っ張られ、後半のサビメロのタメのパートでは目を閉じ歌いながら聴いています。
個人的にも思い入れがあるこの曲は、「Animelo Summer Live 2013-FLAG NINE-」のオープニングとして、「茅原実里×宝野アリカ」のコラボで歌っていただきました。
ライブの導入には、テーマコンセプトを表現したアニメーションを採用したのですが、その主人公の女騎士は中世の城を舞台に槍で戦いました。宿命を背負う彼女の瞳には未来に続く宇宙が拡がる、という設定があり、この曲のイメージに世界観が繋がったのです。
コンセプトアルバムのように創ったライブのオープニングと、天空の歌姫を謳ったこの曲が出会えたのは、今でも必然だったと思っています。